Days from US

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NPR up first 02/20/2020 ブルームバーグ前市長初参戦

新顔が公開討論会に初参加。前ニューヨーク市マイケル・ブルームバーグ氏がラスベガスで行われた民主党公開討論会に初参戦。同氏は他の候補とはケタ違いの保有資産を背景に、スーパーチューズデー(今年は3月3日)以降の週で民主党員の支持が得られる様選挙資金を集中的に投入するユニークな選挙戦を展開しており、CM以外で大統領候補としての同氏を見るのは今回の公開討論会が初めてとなった。

 

スーパー・チューズデー - Wikipedia

 

同氏にとって昨日の討論会はとても歓迎ムードと呼べる様なものではなく、逆に過去ニューヨーク市長時代の政策を蒸し返され攻撃される苦い手合わせとなった。他の候補者はブルームバーグ氏への口撃の為、時間を惜しまなかったと言っても過言ではない。

「別の億万長者をここに立たせない限り、民主党は大きなリスクを負う事になる。」

「億万長者は女性を脂肪の塊と言い捨て、馬面したレズビアンと暴言を吐いた。この文脈内での億万長者とはドナルド・トランプの事では無い、マイケル・ブルームバーグの事を私は言っている。」

昨日、視聴者が予想したのはバーニー・サンダースマイケル・ブルームバーグの一騎打ちだったが、サンダース以外の候補者もこれに参戦し存在感を見せた。上記のコメントはウォレン氏からのもの。サンダースとブルームバーグのやり取りは昨日の最大の見せ場と言えず、むしろエリザベス・ウォレン氏とブルームバーグ氏の口論が最も激しいそれとなった。

サンダース氏は

「我々は毎日多くのサラリーマンを目にする。彼らは自らを歯車の一部だと感じ、良くて機械の一部だと思っている。僕はこれらの人々と共に働き、歩み、協力をする事で市民の生活を少しずつ変えていきたい。これによって民主党支持者を増やしたいと思ってる。」

司会がこれについてブルームバーグ氏に質問をする。

ブルームバーグ氏は大会社の創業者であるが、サンダース氏の言質に同意するか否か。」

これに対してブルームバーグ氏は

「全く以って同意できない。何故ならサンダースのスピリットがトランプ再選を阻むレベルに至って無いからだ。」

と応酬。これが"最も激しい"ブルームバーグ氏の応答だった。

驚くべきはコワモテのイメージで売る同氏が昨日は防戦陣形を取り、終始他の候補が同氏を圧倒する状況。まるで今日は肩慣らしとでも言えるかの様な内容だった。次回以降の討論会に向けて力を温存している様に見えた。しかしそれでも尚疑問が残る。結びの一言では各候補者がそれぞれのビジョンを語る。ブルームバーグ氏はエリートと言える部類の人物。チームを率いて統括し、結果も出してきた。しかしながら昨日のその時間、彼は一切のアジェンダやそれらしきものを表明せず。

 

他方でバーニー・サンダースにとってはそれが全てプラスに作用した様に見える。依然として主要6候補の中でリードを保ち、昨晩の議論ではブルームバーグ氏がサンダースの厚いツラの皮に針を刺す様な事も起こらなかった。全てブルームバーグ氏を否定するのに使われた。本来であればサンダース氏のリードを奪うことが他候補の共通した目的であるべき筈が、残念ながらそうはならず。バイデンとブティジェッジもまんまとこの流れに乗る形で、昨晩の討論で最も大きな利益を得たのはサンダースで間違いない。

サンダースを追い込めなかった昨日の討論会ではただでさえ現職大統領に挑む苦戦が予想される選挙で、どうやってもこれに勝つんだという民主党候補者達の真剣度を残念ながら見ることはできなかったのはとても残念なことだ。

 

エリザベス・ウォレン氏は女性候補として他との差別化を図る一方で、正直ここまで順調と言えるのかという疑問に対して、選挙資金の調達に成功している事はまず以ってプラスに働くだろう。しかしながら他の候補と共闘する事に疎く見える。選挙戦を勝ち抜くにはゲタを預けるタイミングや、誰かと協調するテクニックは重要。一人で戦うファイタータイプというイメージがどうも拭えないうちは仲々サンダースやブティジェッジとやり合うのは難しいのではという印象を持つ。

 

討論会後に行われた支持者との集いでブルームバーグ氏は

「昨日の討論会で大きな利益を得たのはドナルド・トランプだ」

と指摘。

エイミー・クロブチャー候補も

「我々民主党ドナルド・トランプ大統領に対してどの様な対立軸を提示していくかが今示すべき意思なのにそれが昨日は全く出来ていなかった様に思える。」

と討論の内容を非難した。