Days from US

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2020年米国大統領選挙〜民主党予備選の趨勢

民主党の問題は目的としてトランプを大統領の座から引きずり落とす事は共通の目的として一致してるにも関わらず、「誰がベストなのか」について見出せない点にある。

民主党は現在、四人の有力候補を抱える。

前副大統領のバイデン、2016年にクリントンと争ったサンダース。マサチューセッツ州議員のウォレン、サウスベンド市前市長のブーテジェッジ。バイデンは疑いようもなく民主党で最も多くの支持を集める候補で、年配層と黒人からの支持基盤が強固だ。サンダースは若年層と革新層からの支持を集めるもののウォレンも一定の革新層を抱えており、ここは競合している。ブーテジェッジは白人の高等教育層の支持を取り付けているが、ここはウォレンと競合している。


このような状況の中、どのように民主党候補を見定めるのか。経験的に採用されてきた手法はアイオワニューハンプシャーの両州の動向を確認する事であり、これにより民主党の大統領が一体誰になるのか予測をしていた過去がある。今回は一体どのような趨勢となっているのか。個々の候補を分析していこう。

 

バイデンはキャンペーン当初から選挙戦をリードしている、が、圧倒的ではない。バイデンは若い層からの支持に疎い。何故なら90年代に立案した犯罪に関する法案と守旧的な国家観による。討論時に時々見せる不可解さもその圧倒的でない数字に拍車をかけるが、それでも尚保守層と黒人からの支持を取り付け民主党候補の中ではトップランナーを維持する。


サンダースは10月に心臓疾患による健康不安が指摘されたが、それを克服後には支持率を取り戻し彼を熱心に支持する層をしっかりと囲っている。アイオワニューハンプシャーではサンダースがめっぽう強い。資金調達の面でも不安材料が無く、長期戦の準備も万端である。


ウォレンは一度、指名争いからドロップしたように見えたが「社会保険を全ての国民に」というキャッチフレーズがウォレンを指名争いに呼び戻す。彼女が直面する課題は支持層がサンダース、ブーテジェッジと被っている事。ここを取り組まない限りバイデンとサンダースよりも前に出る事は難しい。


ブーテジェッジは11月、アイオワニューハンプシャーでの支持率は4候補中僅かにトップだった。しかし12月にはニューハンプシャーでその座を他に明け渡してしまう。黒人からの支持を得られないので、民主党大統領候補となるのはほぼ不可能と考えられている。アイオワニューハンプシャーでの支持基盤拡大は通常の選挙戦では好材料として働くはずが、翌月に支持を落としてしまうブーテジェッジの現状は歴代の力強い候補のそれと同じと評価出来ない。


また、これらのメジャー候補とは一線を画す候補も民主党には複数人存在する。これら候補の選挙戦略は時としてバイデンの黒人支持に冷や水を差し、民主党全体の利益として捉える事は最早難しい。しかしながらマイケルブルームバーグニューヨーク市長は1億ドルの広告資金を投入し選挙戦を戦う。また、アイオワニューハンプシャーを重要な州として考えない候補としてはかなりユニークと言える。


アイオワニューハンプシャーで勝たずして民主党大統領候補となったのは40年の歴史でただ一人、1992年のビル・クリントンである。しかしながらクリントンは両州で接戦を演じていた。地元の雄である他の候補に対し、後塵を拝した結果となっただけのことである。果たして今回の予備選はどうなのだろうか。


これら両州はアイオワが僅かにニューハンプシャーを重要性として上回る。2016年ではクリントンアイオワで勝利し、ニューハンプシャーではサンダースが勝った。2008年はアイオワオバマが勝利し、ニューハンプシャーではクリントンが勝った。

2004年はジョン・ケリーが両州で勝利し、2000年はアル・ゴアがそれに同じだった。


今回の民主党予備選は黒人支持に疎いブーテジェッジアイオワニューハンプシャー両州での高い支持を維持しており、例年の分析を一概に当て嵌める事は出来ない。何が起こってもおかしくない今回の民主党予備選である。

 

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