Days from US

主にニュースはNPRをソースに日々翻訳していきます。英語学習に関する自分の体験もここにシェアをしていきます。

NPR up first 01/09/2020 〜サウジアラビアの憂鬱〜

①サマリー


今日は大統領の軍隊運用に制限をかける法案への投票が行われる。共和党議員の間でもこれらの活用が適正に行われていないのではないかという懸念の声が聞こえる。安全保障に係る閣僚や官僚の意見を完全に排除してのソレイマニ氏殺害の決断を憂慮した結果であるとの事。


トランプ大統領は今朝の声明を出し、イランに対する遺憾の意を表明。米国の同盟国であり、しかしながら中東に位置するサウジアラビアはこの声明をどのように受け止めるのか。

 

②大統領権限を制限する法案


ユタ州共和党議員がソレイマニ氏殺害の際のホワイトハウスからのブリーフィングついて語った。


「私は9年間、ホワイトハウスの安全保障に関する政策を注視している中でも、今回は極めて手際の悪い仕事だったと考える。」


なぜならホワイトハウスは議員に対して突っ込んだ質問をしないよう、事前に申し入れがあったとの事。民主党代表幹事のナンシーペロシは大統領権限を制限する今日の法案を支持するコメントを発表。


今回のブリーフィングは一般的な情報から奥に突っ込んだ核心的な情報が一切共有されず、且つ専門のセクションが今回の意思決定プロセスから完全に除外されている点が決して少なくない議員の反感を買っているようだ。全く議論の余地がない今回の決断は憲法の精神に反し、米国が遵守してきた精神にも反すると批判の声が上がっている。


しかしながら宣戦布告に関する権限はホワイトハウスに大部分がある事は米国の歴史的に見ても否定しようのない事実である。それを経験的に知る側に立ったとしても今回のイランに対する軍隊運用は支持に値しないというのが立法府の立場だろう。


そもそも行政府と立法府は一つの物事を違う側面から観察する事でより良い方向性を模索する事が期待される。ブッシュ・オバマの両大統領はこの点について大きな疑問を持つ事、また持たせる事なく運用を行ってきたように見えるがトランプ大統領に限って言えば閣僚や官僚を軽視し、且つTwitterをどう活用するかにフォーカスしているように見える。これが、伝統的手法を重んじる勢力が反発する構造なのではないかと考える。


そのような中、今回の法案は一定のプロセスを踏む事で大統領権限を制限する内容なので実態的効力は期待出来るだろうが、トランプ大統領は既に事態の収束を期待する声明を出しており今後イランに対する軍事リソースの運用に限って言えばその効力は限定的であると言わざるを得ない。

 

 

サウジアラビア


サウジアラビアにスポットを当てる。米国ドローン攻撃によるソレイマニ氏殺害以前は、ホルムズ海峡に於ける緊張を和らげる為にサウジアラビアの王族が対話をしていた。今回の問題で、サウジアラビア内のいくつかの拠点がイランによる報復攻撃の範囲内になった事ははサウジと米国の友好関係から言うまでもないだろう。

 

この懸念は特に王族にとって大きなものと言える。昨年9月に原油に係る拠点をミサイルで攻撃された際、サウジの王族は対話路線によりイランとの関係修復を模索してきた。このアプローチはその対話がどのように行われているかは情報が完全にクローズ。

 

イラン側はこれからもこの外交チャネルを保持し続けるだろう。これは米国の経済制裁を筆頭とする交渉が必要な事案について、サウジアラビアは一定の働きをすると期待するからだ。しかしながらこれらの交渉の矢面に立つという事をサウジアラビアが望むかどうかは懐疑的と言わざるを得ない。

 

サウジ、イランとの緊張緩和を模索 経済への影響懸念 - WSJ